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2025.12.20

成年後見人が「できること」「できないこと」の法的な境界線

成年後見人が「できること」「できないこと」の法的な境界線

ご家族の将来を考えたとき、「成年後見制度」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。
認知症などで判断能力が低下してしまった方を法的に保護し、支えるための制度ですが、具体的に「成年後見人」が何をしてくれるのか、どこまで頼れるのか、はっきりとイメージするのは難しいのではないでしょうか。
大切なご家族のためにも、制度について正しく知っておくことはとても重要です。

今回は、成年後見人が担う役割について、「できること」と「できないこと」に分けてご紹介します。

成年後見人ができることは「財産管理」と「身上監護」

成年後見人の役割は、ご本人の財産や生活を守ることであり、その仕事は大きく「財産管理」と「身上監護(しんじょうかんご)」の2つの柱で成り立っています。
これらは、ご本人が安心して生活を送るための基盤を整える、非常に重要な務めです。

預貯金や不動産の管理、年金受領などの財産管理を代行

「財産管理」とは、その名の通り、ご本人に代わって財産を適切に管理し、守ることを指します。
判断能力が低下すると、ご自身で金銭の管理をしたり、複雑な手続きを行ったりすることが難しくなります。
そこで成年後見人が、法的な代理人として次のような業務を行います。

・預貯金の管理(入出金、通帳の記帳など)
・不動産の管理(家賃収入の受け取り、固定資産税の支払いなど)
・年金の受領手続きと管理
・保険金の請求や受け取り
・税金や公共料金、家賃などの支払い
・遺産分割協議への参加

これらの手続きを代行することで、財産が不当に失われるのを防ぎ、ご本人の生活費が滞りなく支払われるように支えます。
あくまでご本人の利益のために財産を維持・管理することが目的であり、積極的に投資をして財産を増やすような行為は認められていません。

介護施設の入所契約や入院手続きなどの身上監護を行う

もう一つの柱である「身上監護」は、ご本人の生活や健康を維持するために必要な契約などを行うことです。
「監護」という言葉から、食事の介助や身の回りのお世話といった直接的な介護をイメージされるかもしれませんが、それは成年後見人の仕事ではありません。

成年後見人が行うのは、あくまで法律的な手続きの代理です。
具体的には、以下のような契約行為が挙げられます。

・介護サービス事業者との利用契約
・老人ホームなどの施設への入所契約
・病院への入院手続きや医療費の支払い
・要介護認定の申請手続き

このように、ご本人が適切な医療や介護サービスを受けられるように生活環境を整えるのが、身上監護の役割です。
実際に介護を行うヘルパーさんや、身の回りのお世話をする方々を手配し、その契約を結ぶのが成年後見人だと考えると分かりやすいでしょう。

本人が結んだ不利益な契約を取り消すことができる

成年後見人には「取消権」という非常に強力な権限が与えられています。
これは、判断能力が不十分なご本人が、悪徳商法に騙されたり、よく理解しないまま高額な商品を次々と購入してしまったりした場合に、その契約を後から取り消すことができる権利です。

この取消権があることで、ご本人を消費者被害から守り、大切な財産が失われるのを防ぐことができます。
ただし、スーパーで食料品を買うような「日用品の購入」や、その他日常生活に関する行為については、ご本人の自己決定権を尊重するため、取り消すことはできません。

成年後見人が「できること」「できないこと」の法的な境界線

成年後見人でも対応できないこととは?

成年後見人はご本人のために幅広い権限を持っていますが、決して万能ではありません。
ご本人の意思を最大限尊重するという制度の理念から、成年後見人にはできないことも明確に定められています。

介護・家事・送迎といった直接的な労務提供

先述の通り、成年後見人の役割は法的な代理行為であり、ヘルパーさんのように直接的な身体介護や家事を行う「事実行為」は職務に含まれません。

・食事や入浴、排泄などの介助
・掃除、洗濯、調理などの家事
・日用品の買い物代行
・病院への送迎

これらのサポートが必要な場合は、成年後見人がご本人に代わって介護サービス事業者と契約を結び、専門のスタッフに来てもらうように手配します。
成年後見人はあくまでマネージャー的な立場で、ご本人の生活を支えるチームを編成する役割を担います。

結婚・離婚や遺言の作成といった身分行為の代理

結婚や離婚、養子縁組、お子さんの認知、あるいは遺言書の作成といった行為は「身分行為」と呼ばれます。
これらはご本人の人生における極めて個人的な意思決定であり、他人が代わって行うことはできません。

たとえ成年後見人であっても、ご本人に代わって婚姻届を提出したり、遺言書を作成したりすることは認められていません。
これらの行為は、ご本人の明確な意思に基づいて本人が行うべきものとされているからです。

手術や延命治療など本人の身体に関わる医療行為への同意

医療に関する同意は、非常にデリケートな問題です。
成年後見人は入院手続きや医療費の支払いは行えますが、ご本人の身体に大きな影響を与える医療行為に対して同意する権限はありません。

特に、以下のような重大な医療行為については、本人の自己決定権が最大限に尊重されるべきと考えられています。

・手術のように身体への負担が大きい治療
・延命治療の開始や中止
・臓器提供の意思表示

これらの判断は、ご本人にしかできません。
そのため、もしご自身の終末期医療などについて希望がある場合は、元気で判断能力がはっきりしているうちに、書面などで意思表示をしておくことが重要になります。

成年後見人が「できること」「できないこと」の法的な境界線

まとめ

成年後見人は、判断能力が不十分になった方の財産を守り、安心して生活できる環境を整えるための重要なパートナーです。
その役割は「財産管理」と「身上監護」に関する法的な手続きを代理することが中心です。
不利益な契約を取り消して財産を守る一方、直接的な介護や、結婚・離婚といったご本人の意思が最優先される行為、生命に関わる医療行為への同意などは行うことができません。

成年後見制度は、できることとできないことの範囲が法律で明確に定められています。
この境界線を正しく理解することが、制度を有効に活用し、ご本人とご家族の未来を守るための第一歩となるでしょう。